その思い出が『宝物』になってほしい・・・
本日旧山崎住宅では地元日貫小学校の児童さん達による、現場見学と茅葺体験が行われました。
現場は特別に安全な措置をし子供たちに貴重な体験をさせてあげたいという事で邑南町教育委員会さんの指揮のもと、公民館長さんにも来て頂き見学、そして体験をしたもらいました。
まずは公民館長さんより『隅屋』の昔のお話やどんな建物なのかを説明して頂きました。
その後工事責任者であるうちの常務さんより工事のお話、そして茅葺職人の森原さんからお話をしてもらいました。
子供達にとっては分かったようで分からないムズカシイハナシだったかもしれませんが、その長いお話のあとはついに角屋の屋根とご対面です。
蒸し暑い中での作業でしたが、「おがら」という茅を葺く前の屋根材を実際に作業させてもらいました。
説明を一生懸命聞いて、一年生から六年生まで12名の生徒さん全員が作業をしました。
中には2回、3回と作業をさせてもらう子もいてとても楽しそうでした!
大人の方も是非やってみたいという事で作業させてもらっていました。正直大人の方が興味津々!?
高学年の子は実際に「おがら」を運ぶ作業もしました。
「重たくない!」という子もいれば「おもたーい!腕が痛い!」と言う子もいたり、色んな経験が出来たのではないでしょうか。
そしてその後、建物の中に入って下から屋根を見てみたり、大黒柱の説明を受けたりしました。
今回説明する中で一つだけ説明できなかった事があったのですが、角屋の中に入ったときに黒いホコリがたくさんあったと思いますが実はあれが「すすわたり」なんです。
「すすわたり」と聞いて「あっ」っと思う方もおられると思いますが、あの「トトロ」に出てきた『まっくろくろすけ』です。
すすわたりはすすの妖怪ですが、この隅屋さんにはたくさん「すすわたり」が居たんですよ~!
いまは屋根が葺き替えられる事でどこか安全な場所へ引っ越してしまいましたが、この新しい茅葺が出来たらきっと帰って来てくれると思います。
↑この部分は、関係者の方、このブログを見ておられたらお伝えしてあげてください。
今回こうやって様々な体験を通して、これが良い経験になってくれればと思います。
はじめは話ばかりで、中にはしんどいなぁ、はやく学校帰りたいなぁ、と思っている子もいたかもしれません。
ただ実際に建築というのは携わった方すべての方が「自分が建てた!」と言えるところに魅力があります。
今日小学生の児童の皆さんがした作業はほんの少しだったかもしれませんが、間違いなく「ぼく・わたしが葺いた屋根だ!」と言えます。
是非お父さんお母さんに自慢して欲しいなと思います。今は分からなくても、将来そうやって思い出した時に誇りに思える。そんな思い出の宝物が増えるといいなと今回主催した教育委員会・公民館・茅葺職人さん・我々石見工業は思っています。
さらに欲を言えばこれを機に「建築に興味を持って・・・」とは欲を言いすぎましたが、でも楽しんでもらえてよかったと思います。
6/30は一般公開もします。
是非お越しください!